「夢をお届けします」
5月だというのに夏の気温を記録しそうな日の午後、銀行での待ち時間があまりにも退屈なので、仕方なくファッション雑誌のページをめくっていた。花の通信販売をするサービスを展開している会社の広告が目が入った。定番の花であるバラやランの鉢物、観葉植物などが並んでいた。最近流行のガーデニングのための道具なども扱っている。
『夢をお届けします』−いつもなら読み流してしまうところなのだがその日は違った。「ん。こんな商売できるといいかもしれないなあ。」僕はつぶやいた。周りに人がいることも忘れて。
実は少し前からインターネットで商売することに興味があり、いろいろなホームページにアクセスしたり、アクセス数を増やすための方法を考えてみたり、どんなコンテンツ載せると人が集まるのか情報を収集しているところだった。
何が人を集めるのか。再びアクセスしてもらうにはどうするのか。寝ても覚めてもそんなことを考えていた。
僕はパソコンを使ったシステム開発会社に8年在籍している30歳独身のSEだ(といってもプログラムも書くし、営業にも行く)。好きなものは音楽を聴くことと阪神タイガース。UFOは信じない。なぜか「びわくん」と呼ばれている(競走馬にそんな名前の馬がいてどうもそいつに似ているらしい)。今の会社を辞め、会社を作って一旗あげてやろうなどと考えているわけではない。ただ、『夢をお届けします』という言葉で僕は今、花を売りたくなった。単純なのだが、きっかけはそんなもんだ。
とにかくインターネットで花という『夢』を届けることに決めた。
僕は用を済ませ銀行を出た。
何も知らない花業界
しかし、困ったことがある。僕は花については何も知らないのだ。小学生よりも花の種類や名前を知らないし、花屋さんにも1年に1、2回行く程度だ。花屋さんは仕入れもしているだろうし、販売もしている。インターネットでどこまで花屋さんができるか花業界のしくみも調べなくてはいけないし、基本的な花用語も花の種類も覚える必要があるだろう。花のアレンジや花束のラッピングなども知っておく必要があるだろう。
どこからはじめてよいものやら、とにかくインターネットや雑誌、書籍から調べることにしよう。
まず考えなくていけないこと
花業界(フラワービジネスと最近呼ばれている)についてどんなことを調査しなくてはならないか考えてみた。
・花業界の実態
・花の仕事にはどんなものがあるか
・今のトレンド
・仕入れから販売まで
・花のデザイン
・販売からお届け
実際に販売するために必要なものを考えてみた
・マーケティング・広告
・インターネット環境
・インターネットでの決済方法
・開発環境
・運用のフロー
・Webサーバーなどの設置場所
・販売後の顧客フォロー
・顧客の付加サービス
あとは必要になってから考えることにしよう。わからないことはいくら考えても始まらない。
それが僕の持論だ。
スケジュール
とりあえず、半年がんばってみようと思う。途中で何があるかわからないが予定を立てておかないと小さな目標も作ることができない。目指すは今年中にインターネット花屋さんになることである。
予定表
6月 |
フラワービジネスの調査と花屋さんの仕組み |
7月 |
ビジネスをどう立ち上げるか |
8月 |
デモ作成 |
9月から10月 |
開発 |
11月 |
構築・広告 |
12月 |
立ち上げに向けて |
12月までの予定ができた。本当に半年でできるかは全くわからないが、今のところはいいだろう。思い付きで始めてしまったが、やれるところまでやってみよう。お客さんに夢を届けるために。そして自分にも夢が届くように。
次回は花業界についてまとめてみたいと思う。
今週の花言葉:トルコギキョウ(希望)